とある大学の3年生から電話があった。
「24年春、採用予定があるか否か?」
というもの。
夏より簿記の2級を勉強しダブルスクール、
税理士を目指したい者だと言う。
いまどきの就職事情のすさまじさを感じるとともに、懐かしさを感じる。
私が大学3年生の11月頃と言えば、
大原簿記学校の公認会計士講座を受講し始めた頃。
バブル絶頂期であったので、就職先などまったく真剣に考えてなかった。
こういった道に進もうという夢だけで生きていたと思う。
友人達はそろそろ就職活動の準備に入っていた。
履歴書を整えるため大原簿記で日商簿記3級、2級をゲットするは、
当時定番であった。
当時は0ベースからでも、日商簿記の3級、2級は6ヵ月セットでOK!
が、大原簿記学校のキャッチコピーだったような気がする。
私は幸い高校が商業高校だったということもあり、
簿記の2級は高校時代に取得済。
大学時代は1級に何回かチャレンジしたがなかなか受からない。
漠然と会計の道に進みたいという希望があったので、
どうせなら、公認会計士の受験でもしようかとあまい決意した頃。
その後の経緯は、このブロク「税理士体験記」に綴った通りであるが、
友人達はバブル景気の中、大手商社や保険会社等、
希望通りの企業に就職が決まるのを横目に、
私は今で言うフリーターかな?を経て、
中川清先生に拾っていただいた身なのであります。
先輩としてアドバイスするなら、
税理士への道は想像以上に厳しい、甘いものではない。
資格を取るのも、取ってからも苦難の連続である。
「いま税理士を目指そうと決意し、難しくなったとは言え日商の2級を勉強している」
程度では話にならない。
私は、そのうちの数パーセントの運の良い個体に過ぎない。
何人と夢破れていった仲間を見たことだろう。
だから、この業界お勧めはしないということではない。
私はこの仕事に誇りとやりがい、生きがいを感じている。
また、税理士業は自分次第で大きく社会に貢献でき、
利益追求もできる、若かりし頃イメージした通りの職業である。
私の場合28歳からやっと本格的な勉強を始めて、
最近ようやく税理士になった。
根性さえあれば、いつからでも目指せるというのも
税理士の特徴であろうか・・・。
正月に新潟に帰ってくるなら、一度見学に来ればいい。
大勢は困るが、
税理士志望の学生さんの話を聞くくらい、
先駆者として喜んで応接しましょう。
「24年春、大卒、採用予定があるか否か」
正直なところ時節柄、
返事に詰まる質問であった。
「大いにある」
というのが、
私の個人的な気持ちである。
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