書面添付で税務調査はなくなる・・?

結論から言うと、



なくなりません。



・・が、

現在、

税理士による書面添付がされている法人税申告書が約7万件・・・。
(年間の法人税申告書約280万件中・・・。)


その書面添付がされている申告書に対し・・、

意見聴取があったものが、約5%(3500件)。
そのうち、意見聴取後に、税務調査に発展したケースが1/3程度(聞き違いだっだらすみません)・・・・。

つまり、書面添付申告すると、調査確立がぐっと減る(健全な関与先についてはほとんどなくなる。)

というのが 現状 だ。

(うちは、全部書面添付申告してるから、ここ何年か税務調査なんてないよ。
・・とおっしゃる先生も実際いる。)


国としては、この書面添付制度を推奨し、
全体の10%程度(約20万件超)の申告を期待しているとのことである。


画像



このことを考えると、国の言う10%に達するまでは、
「書面添付により税務調査がない」という言い分は、
さもありなんという気がする。

しかし、個人的には、書面添付の動機付けを、
ここのみ(調査がない)にもってくるのは危険と考える。

調査がない(少ない)は、現況・・・。
そんなことが保証されている制度ではない。



そもそも、税理士による書面添付制度(税理士法第33条の2)とはなんぞや?

簡単に説明すれば、

法人税の申告書に、税理士が確認した事項等を記入した法定書面をつけて提出する制度。
(昔からある制度)

・・で、

この書面のついた申告書の税務調査をする際は、
まず税理士に意見を述べる機会を与えなければならない。(意見聴取制度 平成13年から)
・・というのが、最大のポイントである。

このポイントがくっついたから、結果、調査も減ったということだ。



「じゃ、だせばいいじゃない。要は調査が減るんでしょ!」




・・と、話は簡単ではない。



税理士側の立場からすれば・・。

まず、面倒。いままでやったことがない。
責任が負える程度にまで、各項目について確認、資料収集・検討するのは、
時間的にも技術的にも煩雑である。

次に罰則規定。
確認した事項に「うそ」や「相当な不注意」があった場合には、税理士業務の停止処分がまっている。

費用対効果の問題。
顧客に費用負担を求めにくい。(本来、確認するのが当たり前という発想があるから・・。)

信頼関係の問題。
確認に際し、いちいち裏づけ(証拠)が必要となる。
信頼関係で関与してきた顧客の理解が得にくい。

意見聴取の問題。
税務署へ資料を整え出向かなければならない。
納税者の立会いは認められないので、
潜在的な待機・準備時間・出向時間等の費用負担を担保しにくい。


「えっ~、そんな理由なの~。お客様第一主義はどこへ行ったの~?」



と怒られそうだが、実際はそうだ。
(我々も生活があるので、このあたりは理解していただきたい。)





しかし、これも時代の流れ・・。

いつまでも、「書面添付したことありません。」では時代に取り残されてしまいます。

また、我が事務所には書面添付の資格十分な関与先も多数あります。

「調査が減るから・・」

・・という理由でなく、

「この関与先は、税務調査の必要ありません。」
・・と自信のある関与先については、書面添付を考えなくてはいけません。
いや、書面添付しなければならないでしょう。



ということで、まずは法人のお客様から・・。

ご希望のお客様おられますか?

チェックがますます厳しくなりますが、よろしくお願いします。

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