経営理念 3

私の仕事をする上でのモットーは・・、
『お客様第一主義』『変化とスピード』『教育はすべてに優先する』
・・であるが、これは尊敬する社長の経営理念。
あまりにも良いフレーズであるので自分も使わせてもらっている。
                        (5/23日の記事より抜粋)

今日、その社長と、この経営理念の話で熱く盛り上がった。

誤解してほしくはないのであるが、
このキャッチコピーはあくまで、当該会社の経営理念。

もちろん気に入ってはおり、日々の仕事の上でモットーとさせてもらっているのであるが、
それはそれ、我が事務所の経営理念としてどうかという話になれば全く別の話である。

今日は話は長くなるが、
このことについて哲学(うんちく)してみたい。


まず、最初にくる「お客様第一主義」というフレーズ。

税理士法の第1条解釈との若干の違和感をもたざろう得ない。

(税理士の使命)第1条 
税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。(税理士法抜粋)

この、独立した公正な立場というインパクトがあまりに強く、
「お客様第一主義」をトップにもってくることに違和感があるのである。

正しく解釈すれば、(解説本にも載っていることだが・・。)

これば、独立した公正な立場であることが、納税義務の適正な実現を可能とし、もって納税者(クライアント)の信頼に最も応えることができるんだよ。納税者(クライアント)のためになるんだよ。

・・ということである。

じゃ、「お客様第一主義」いいじゃないの?という話になるのかというと
そういうことにはならない。

税理士事務所としては、
「納税義務の適正な実現第一主義」
・・ということになるのだろうか・・。
(う~ん、どうにもキャッチコピーとしてはインパクトがない。)


次の『変化とスピード』

これは、まあ良いでしょう。

昨日までのイエスが今日はノー。
時代の変化は激しいですから・・。

ただし、これは、経営理念の三本柱のひとつにあげるかどうか・・。
という話ではない。(好みによりあげても良いと思うが・・・。)

「お客様第一主義」「教育はすべてに優先する」
の間に入って  と光る。

つまり、次元の違う三つの主義・・
言うなれば、三つの優先権のぐるぐる回りによる思考形成をみごとに成立・連想させるのである。
(と私は感じる。)

言い換える必要もないと思うが、
税理士事務所の理念に加えるならば、
「時代の変化に対応しよう」
・・・・とでもなりますかね。




最後の『教育はすべてに優先する・・』

これも、かなり補足が必要。

というのも『教育』という言葉の意味として
狭義には『教え育てる』。
その主体が他人であるとイメージすることにある。

わかりやすく言えば、フレーズ全体の意味として、
「人を教え育てるのことは、いかなることにも優先するんだ」
・・と解釈されるということである。

実は、この解釈は、これはこれで正しい。
確かに、教育という言葉がこういう意味で使われていることも多い。

また、この意味をもってして、
従業員の多数いる会社の『経営理念』とすることに
なんの違和感もない。これも好みの問題であろう・・。

しかし、少人数の税理士事務所の経営理念としてはどうなのであろうか・・・。
確かにこの意味(狭義)での「教育」ということになれば、違和感があります。
なにより、教育が必要なのは自分でしょっ?・・てな話になりまよね。



しかし、しかし、

「教育」の語源は、「才能を引き出すこと」
であり、その主体は他人のみならず、自己をもさす。
自己のみの教育を「自己教育」という言葉で表すこともある。

・・・というのが、正しい広義の解釈です。

税理士事務所としては、
「税務の専門家として日々研修に励むこと」
・・・とでも置き換えましょうか・・。


ということで、まとめると


「納税義務の適正な実現第一主義」

「時代の変化に対応しよう」

「税務の専門家として日々研修に励もう」


・・ということになりました。




経営理念としては、正直おもしろくもなんともありません。

やはり、

社長の熱い思いとセット(これが条件ですが・・。)で

『お客様第一主義』『変化とスピード』『教育はすべてに優先する』

という経営理念にインパクトを感じます。共感を覚えます。

(・・・いまの自分に欠けている事をズバリ言い当てているような・・。)



・・・・・・・・



こんなことを含め、社長と一時間ばかり話をしていて

はたと気づきました。(突然に・・)





若かりし頃、所長から言われた言葉を思い出しました。

しかも、それは私の信条でもあったのです。



「正道を歩みなさい。」



こんないいモットーがあったじゃないですか。



「正道を歩むこと」




これですね、所長!!

この記事へのコメント

  • フリーエンジニア

    ご無沙汰しておりました。
    やっと仕事がひと段落ついてコメントする気力も戻ってきました。
    「正道」をこの機会に調べてみましたが、「その場限りのごまかしやいい加減では無く、正正堂堂としたやり方」などともありました。
    自動制御なんてのは1つでもプログラムや配線に間違いがあると、動かなかったり誤動作をしたりします。何年やっても「ごまかしの効かない真剣勝負」だと思って向かい合っています。
    でもこれはどんな業種・職種でも同じことなんだろうと想像しています。
    常に「ラクして、簡単に」なんてことは有り得ないと自分に言い聞かせています。
    2008年08月20日 10:33
  • やまぐち

    フリーエンジニア様、ご無沙汰です。
    夏休みもうすぐですね。

    若かりし頃、納税者と税務署の板ばさみに合い窮地に立ったとき、所長に『正道を歩みなさい。』と教わりました。またその時『事実に勝る真実なし。』とも・・。
    会計人としての分岐点でした。(詳しくは後日)

    理念や信条は内に秘めるもの・・。また、どうとらえるかは自分次第・・。あえて外に発信するのは、ユーザーに対するメッセージ・宣言にほかなりません。これが良いということではなく、職業会計人としての信念・信条には、今後もこだわっていきたいと思います。
    何時も「真剣勝負」ですね。
    2008年08月20日 11:27

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