続き・・。
売上の〆の手続きの関係もあるし、弱みに付け込みむにゃむにゃにされたらたまらない、
との思いもあったので、
こちらも鼻息荒く、約束の日時に先方へ出向いた。
応接室に通されると、そこには重役さんが、でんと座って待ち構えていた。
話はこうである・・。
『 俺は、若いころから親父にはずいぶん世話になった。
怒鳴られ、蹴飛ばされ、育ててもらった。
今こうして重役のイスに座っているのも親父のおかげだ。』
『 また、晩年、親父の会社を支えてきたのは、この私だ!・・・』
『 ・・・中略 』
『 とにかく、会社の解散手続きは、しっかり適正にやってもらいたい。
具体的にどういう風に行われるのか、説明してくれ。 え!』
・・と、矢継ぎ早にとりつく暇がない。
つまり、弱みに付け込んで、ヘタな仕事しやがったら承知しね~ぞ!
・・・・ということである。
・・・・ここにもいたか、若い衆・・・・。
・・・・・思いは同じであった。
『 な~んだ、そんなことですか。
じゃ、こちらも言わせていただきますけどね~。
私も親父とは入社以来20年来の付き合いですけどね~・・・・・・ 』
私も反撃、言うべきことをいい、10分も話をしていると意気投合・・・。
後段は、思い出話合戦(どちらが、親父と付き合いが濃いか)となった。(笑)
せちがない世の中と言えど、まだまだ人間捨てたもんじゃありません。
春先の話であるが、気弱になった親方がしみじみ言っていた。
『 俺は今まで必死にがんばってきたが、後継者を育てられんかったことが一番残念だ・・。
せめて、息子が生きてればな~。俺の人生なんだったのかな~。』
・・・と。
・・・・・・。
いえいえ、それは違いますよ、親方。
あなたは立派な後継者(若い衆)をいっぱい育てたじゃないですか。
あなたの親方としての在様は、若い世代に確実に引き継がれましたよ。
本当に長い間、ご苦労様でした。
そして、ありがとうございました。
お体を大事にして、長生きして下さいね。
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