年に一度のお得意様。

高齢化社会を目の当たりに実感することがある。
年齢を重ね、島国でのひとり暮らしもままならず、やむなく親族を頼り都会(新潟)の老人施設へ入所。住み慣れない土地での暮らし。自分の手足では数メートル動くのも至難のわざ。それでも、確定申告は国民の義務。所得がある以上申告しなければなならい。
このような境遇の方はけっこう大勢いる。

今日のお客様は、このような事情の方。幸い口は達者である。ひょんなことから知り合い、
『同郷のよしみじゃない。年寄りの頼みなんだから特別料金でなんとかしなさいよ。ね。頼んだわよ。』・・てなことで年1回の顧問担当をおおせつかっている。

毎年私が訪問するのを相当楽しみにしてくれているらしい。ありがたい限りである。
『正月の新聞広告見たよ。名前が出てたね~。』
『ほれ、今日はバレンタインだろ。チョコあげるよ。チョコ。』
『せんべいうまいよ。せんべい。たべな。たべな。せんべい。』

仕事どころではない。とにかくうれしそ~に機関銃のようにしゃべっている。
(・・子供じゃないんだからさ~。)

こちらも心得たもので、適当なところで・・、

『ほれ~。ばーちゃんさ~。しゃべってばっかりいたら仕事すすまんだろ~。し~。』
・・・、一瞬言うことを聞くが、少しするとまたしゃべり始める。これが、またかわいく思えてくるから不思議でならない。『ば~ちゃんにはかなわんわ。』

毎年、このばーちゃんの申告から僕の確定申告が始まる。「なんとかしてあげたい。」・・・この気持ち、仕事にとって最も大切なこの気持ちが、僕の心の中に注入される。僕にとってなくてはならいない大切なお客様のひとりです。

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帰り際にばーちゃんからいただいたお茶。

この記事へのコメント

  • はら

    いいお話ですね
    2008年02月15日 16:25
  • やまぐち。

    この方にお会いするの、毎年楽しみなんですよ。
    2008年02月15日 20:06

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