平成15年12月、
法人税法の合格は本当にうれしかった。
6年ぶりの合格は、やったというよりは、命拾いをしたような気持ちだった。
体力、気力とも限界を感じていた。
もうダメかもと潰れる寸前であった。
もし、この年受かってなかったら・・、 ぞっとする。
ただ、なぜ合格したのかわからない。
出来は初年度を除く前4年とかわらない。
今年合格なら、前4年も合格なのでは?
そう思った。
はっきり確信したのは、合格レベルの受験生は、1~2点の線上にひしめいている。
さじかげんひとつで、運命が分かれる。
自分はそういうレベルにいる。
そういう意味では、流れ・勢いという要素はきわめて大事なのだと思った。
平成16年1月、
最後の科目を国税徴収法に託した。
3年目のミニ税法、国徴。1科目集中。
最後の科目。
何人にも負けるわけにはいかなかった。
O校の通信カリキュラムは前倒しで消化した。
国税徴収法はすべて暗記した。
むりして押さえなくて良いといわれる論点もAランク扱いで頭に叩き込んだ。
過去問、応用理論・・、テキストにあるものはすべて潰した。
万全の態勢で臨みたかった。
もう、流れを失うのはゴメンだと思った。
平成16年8月、試験問題がくばられた。
受験史上 最大のショック を受けた。
問1の1 徴収の所轄庁について
問1の2 難解な事例問題
問2計算 給与の差押禁止(特殊計算)
・・・・な、なんだ、これは・・・。
きをてらうにもほどがある・・。
なんなんだこの問題は・・・・。
この年の試験を受けた9割以上の人間が憤りを覚えた。
とくに専門学校生にはたえたであろう。
そのくらい衝撃的で難解な問題であった。
私が、3年間勉強してきた知識で解ける(書ける)ことは1時間。
残りの時間はただただ作文に終始した。
名づけて、「重箱の隅の隅・問題」であった。
試験開始後1時間、3割近くの受験生が席を立った。
異例な光景であった。
これは、国税徴収法の試験なのか?
国税徴収法は全部覚えた(・・・つもり)が、どこにそんなことが書いてあるんだ。
目を疑った。
怒ってもしょうがない・・、一生懸命やろう・・。
一生懸命やった。
試験は終わった。
試験会場である金沢学院大学からタクシーに乗り金沢駅に向かった。
あのタクシー中、凍りついている自分・・・・。
この1年間はなんだったのだろうか・・・、
ボロボロ、ボロボロと涙が流れ落ちた。
生涯忘れる事はないであろう・・・。
後日、ホントに国税徴収法の試験だったのかどうか調べてみた。
問1の1は国税通則法に・・
問1の2は、ネット情報で、実務国税徴収とかいう本に・・、
問2の計算は、本法と基本通達に・・、
その取り扱いが詳しく記されていた。まぎれもなく、国税徴収法の試験だった。
ネットの掲示板等でも、悲痛なコメントが後をたたなかった。
ここまで難解な問題は想定もできなかった。
専門学校のみを信じた自分が悪いのだ。・・・
ま、問題が難解でも、毎年、10%から年によっては15%の人間は受かる。
合格率が高いことを祈ろう。そう思った。発表が少し楽しみだった。
平成16年12月
試験結果発表
国税徴収法 不合格
・・・・・であった。
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